Return to site

MBA授業風景4 - 異文化による混乱

バルセロナのESIC 大学院で教えている現場の様子です

· Education

 組織論 (MANAGING MARKET-ORIENTED & RESPONSIBLE ORGANISATION)のクラスも残り2回。今日の授業と明日の最終日のプレゼン大会のみとなった。既に最終日のプレゼンのシュミレーションは終わったので、個人レポートにおける分析手法の一部の実践と、異文化が組織に入ってきた場合を体験してもらうことにする。

ここのMBA自体が異文化の集合体で、さらに国際交流学生がそれに輪をかけている。異文化への反応は様々で、見た目、その人物に関する情報、そして実際に接触した体験により、大きく異なってくる。授業やグループ活動では、異文化への対応は、素晴らしい準備が既に出来ているように感じる。既に多くの共通体験を通じて、仲間意識があるからだろう。また、姿勢としてお互いを理解しょうとしている事もある。これはここのMBAだけではなく、一般社会においても、多くの人々が、お互いを理解しようとする精神を持ち、融和を目指していると考えられている。とこが、実際はどうだろうか?それをこの授業では試してもらうのだ。

 

 組織論では、異文化との対応については多くの時間を割いている。新しいCEOの就任より既存組織に新しい血、すなわち文化が入ってきた事例、性差別からの開放による新たな文化の受け入れ、国際的なチームメンバーとの協業のための異文化理解等々、事例には事欠かない。『ホフステードの異文化マネジメントについて学ぶ』のポストでもあるように、日本でも学問として浸透しつつあるように感じる。ここでは、異文化の乱入を故意的に発生させ、現場を実感させることにする。グループのメンバーは通期を通じて変更が出来ないが、今日は大胆にチームの個性とは異なるメンバーを動かし、新しい風を吹いてみる。

 

 授業の前半は通常通りとして、1回目のお休みの後、メンバーチェンジをお願いした。メンバーの半数が他のチームに移るのだ。チームリーダーのシャフルにより、チームの柱が抜けた状態と作ると同時に、新しいリーダーを迎えるのだ。これは実社会で誰もが経験しているはずだ。プレゼンのシナリオが出来た後のでメンバー変更の抵抗は明らかにある。ここで大事なのはやはり「何故」これをするのかを、をきっちり説明すること。そして失敗を恐れ無い事、すなわちプレゼンの出来が重要でなくて、チームとして、方向性を導き出せる事の重要性を強調して、アウトプットに集中してもらった。

 

 5チーム中、2チームは何事も無く、仕事を進めていく。1チームは、プレゼンの方針に大きな変更があって、そのとりまとめに忙しい。残りの2チーム、特に1チームは分解すれすれだ。結局、プレゼン準備の時間は、この異文化の乱入によりペースを乱した2チームために予定を超えることになった。この状況はクラスの全員が認識している。メンバーチェンジが無事に終わったところはラッキーと思っているようだ。そしてうまく行っていないチームの表情は全く冴えない。

プレゼンの優位性は、やはりきっちりと、まとまったところがよく、空中分解ギリギリ組は最後踏ん張って復活したように見えたが、プレゼンにチームとしての勢いは無かった。(彼らのために一言添えると、この日にプレゼンの内容やデザインそして構成は初日と比較にならないほど良くなっている)今日のテーマはプレゼンより、この異文化の受け入れについての実体験を元に意見交換をしてもらう事なので、プレゼ ン後のフィードバックに時間を割いた。そしてこれが当たった。

フィードバックセッションは生徒たちの発言が止まない。普段は比較的大人しいインドからの交換留学生も積極的に発言している。発言のバトンが続き、何が問題だったのか、どうすれば良いのかの問いを必死になって探している。この状態になると、先生の自分は、ほぼ壁の花状態だ。クラス学級員が自主的にまとめし始めたのて、バトンを受けることにした。

変更があったにも拘わらず、うまく行ったチームの初期分析は、メンバーの社会的背景が似通っていることだった。これはホステフードの理論を用いても説明出来るので、納得感が高くて深い。一方中間のチームは、混乱がありながらも、まとめていこうとしていく意思が強かった。しかし、まとまらず、ほぼ空中分解組は文化の違いが真正面からぶつかった。面白いのは空中分解組みのメンバー達は、メンバー変えの前は上手にまとまっていた点だ。すなわちトラブルメーカでは無いのだ。

 

 文化や考え方の違いを超えていくには、目標設定とか、難しいことの以前の基本的な話として「共有した時間」の「質と量」が大事だ。このMBAでは、チームメンバーは最初に決まってから卒業まで変わらない。この日が来るまでメンバーは多くの時間を一緒に過ごしきており、お互いを理解しているという状況だった。それが授業でシャッフルされ、短い時間で結果を出さなくていけないプレッシャーの下、2つのチームが壊れた。

プレゼンテーションの後は苦味が残ったメンバー達も、仲間達と多くの意見交換をしていくうちに、気持ちが落ち着いて、普通に話せるようになる。そして問題があったチームのメンバー達は、この「異文化の乱入の変」から学んだ事が多いと口を揃えて言う。彼らは自分の主張をハッキリと告げ、押し通す訓練を日本と比較にならないほど受けているので、チームでの話し合いは非常に熱い。そして結果が出なかった時はやはり落ち込むのだ。特に他のチームも同じ条件で上手にやっている場合は、流石に大人しくなる。今回の学びはどの学生に大きかったようだ。卓上ではなく、実際にチーム内衝突を経験し、その体験を仲間と共有出来た彼らは、これからどんどん強くなる。

MBA授業風景4  - 異文化による混乱 AcademyIn
All Posts
×

Almost done…

We just sent you an email. Please click the link in the email to confirm your subscription!

OK